逆転の思想−188        目次
              水道公論2019年4月号


 湿度管理の重要性
 欧州などへの海外旅行では10時間以上もの間狭い座席に座って耐えなければならない。また機内で夏でも寒いくらい低温なのと湿度が低いことが問題としてある。温度については、夏でも上着を機内に持ち込むようにしている。寒いと皆で声を上げると改善はされるらしいが。
 湿度については機内客室の乾燥がひどく、もともと呼吸器系が弱く、1時間内外の飛行では平気であるが、長時間の飛行ではそのうち鼻が痛くなったり、鼻声になったりしてしまう。
 そこで水で洗って固く絞った木綿のマスクを着用するようにしている。時間が経つとマスクが乾いてくるので水を補充する。このマスクのおかげで少し加湿されるようで、これで鼻痛にならずにすんでいる。機内でマスクをしている人はけっこういて、同じような理由で、マスクを使用しているのだろうか。濡れマスクというものも市販されている。
 インフルエンザウイルスは寒冷乾燥を好み、高温多湿に弱く、温度20度以上、湿度50〜60%で空気中での感染力が下がるとされる。
 事務所衛生基準規則によれば空調は部屋の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならないとある。
 寒い時期、風邪予防のため湿度管理が叫ばれているが世間の認識はあまりないように感ずる。老人ホームでインフルエンザの集団感染で多くの人が亡くなっているが、抵抗力の大変弱い老人保健施設や病院の入院病棟が問題であると考える。多くの病院で、冬期に病室の室温は高すぎるくらいであるが、全般的に乾燥がひどいように思われる。
 室内温度が高いほど空気中の飽和水蒸気量が増える。室温15度で湿度50%の空気が20度になると湿度37%になってしまう。
 呼吸器が弱かった母親が入院していたとき、空気が乾燥しているので加湿が必要と判断して、温度調整など環境管理がやりやすい個室に移してもらって、ここに加湿器を持ち込んだ。
 しかし、加湿は期待できなかった。問題は病室の換気がけっこうな量のため、加湿した空気がすぐどこかに行ってしまい、水タンクもすぐ空になって水の補充もされないことであった。
 免疫力のない入院患者なのだから、余計な換気より、病室毎に空気清浄機と加湿器を置くなど適切な湿度管理を行って、病気になりにくい室内環境にしてほしいものである。
 呼吸器系が弱いので冬にこういうところに入院するとすぐ風邪を引いてしまい、肺炎であの世に行くことになりそうで、今から心配している。
 頻繁に泊まる京都のビジネスホテルでは冬期に客室に加湿器を置き、換気も調整できるので、呼吸器系に弱点がある身にとってはありがたい。