逆転の思想-196        目次
              水道公論2020年1月号


 夜景の魅力
 「街の水辺」というHPを開設して20年になる。この中には夜景もある。夜景と言えば小樽、函館、神戸などが有名であるが最近各地でイルミネーションの飾り付けが盛んになっていて、いくつか撮影に出かけ、水辺に関わるものは載せるようにしている。
 気に入っているのが博多のキャナルシテイであるが最近のイルミのランキングでは下の方にあって不思議である。これを見つけたのは2005年。博多での昔の職場同期会の翌日朝、180mの水路を持つキャナルシテイに行き撮影したが、良い景観で、夜に行かなかったことが残念であった。
 遠くにあるので取材が難しかったが、その後、博多に本社のある、日の出水道機器の竹中史朗さんに出張のついでに撮影をお願いできることに。学生時代写真部で、いい写真を撮っていただき、2010年頃から載せている。 キャナルシテイは毎年新たに工夫して創作しているので,それ以前も素晴らしいものだったと思われ、写真がないのが残念である。
 飾り付けは大規模でないが、水辺、噴水、造形工作物と建物を利用していることがいい。水辺に写る灯りなどの景色や噴水は風情がある。また動物や乗り物などの造形工作物をライトアップするなど工夫をして童話のような幻想の世界を醸し出している。また、水辺、噴水や造形工作物は昼でも素敵な景観を提供してくれる特性がある。
 特に気に入っているのが撮り方がいいこともあるだろうが2010年~2012年頃。最近のものもいいが、予算のこともあるのだろうか、造形工作物のライトアップが少なくなっているのが少し残念である。
 渋谷の「青の洞窟」に出かけたら土曜日のせいもあってすごい人出だった。規模は大きいが並木に青のイルミをつけただけのもの。その後まわった六本木ミッドタウンは広場一面に様々なイルミが点滅し霧やシャボン玉など素晴らしい。一部混むところはあったが前列で写真も撮れ、渋谷より観客は少なかった。渋谷並みの人出であったら何時間待ちになったであろう。
 2016年冬に出かけたハウステンポスも灯りで飾られた遊覧船が、水底からの灯りで輝く水路を航行する風景は素敵で、そのほか大規模で見事であるが、写真になるとキャナルシテイの方が良い。大規模なイルミは全景は素晴らしいが、近くに行くと一部しか写らないことがあり、小規模でも取り囲まれている雰囲気が出れば良い撮影環境(インスタ映え)となる。逆にこのような飾り付けを東京でやったら、収容能力が少ないので、押し合いへし合いで、何時間も待たされるなどの事態が想定される。何事も、使用環境をよく考えて設計することが肝心なのであろう。