4、水質の季節変化
 平成11年度のSt25(東京灯標)のデータ−を例に水質の季節変化を見ると以下の通りである。
 (1)、成層期と循環期
 図−6に水温の季節変化を、図−7に水温等の8月の垂直分布を示した。夏季に暖かい上層と冷たい下層ができる(成層期)。冬季は上層が冷たくなり、比重の関係で上下層の循環が起こる(循環期)。


    図ー6 水温の季節変化

    図ー7 8月の垂直分布(水温等

 (2)、プランクトンの異常増殖

 6月には成層が出来て上下層の循環が少なくなり、日射が強くなる結果プランクトンの異常増殖が起こる。赤潮の発生である。クロロフィルの増大、上層のDOの過飽和、CODの上昇が起こる。


図−8 クロロフィルの季節変化
図−9 DOの季節変化
図−10 CODと透明度の季節変化

 (3)、窒素、燐の形態変化

 図−11に窒素の図−12に燐の形態別季節変化を載せた。6月は有機体窒素、有機体燐が多くなる。これは、プランクトンの異常増殖で海水中の窒素、燐より、プランクトン中の窒素、燐が高くなっているためである。


図ー11 窒素の季節変化

図ー12 リンの季節変化

 (4)貧酸素水塊

 図−9に見られるように、貧酸素水塊は春と秋に発生し、特に9、10月に大きく広がり、下層では燐の溶出が見られる。

    (図−13下層の燐の季節変化)