海洋におけるケイ素の挙動と研究法(鎌谷明善):
ケイ酸(シリカ)が欠乏すると珪藻の増殖が抑制され、有毒な鞭毛藻類の増殖に有利な環境となる。動物プランクトン・稚魚などの有用な餌料と成り、これまで漁業生産を支えた珪藻に異変が生じており沿岸・河
口域における過剰なまでの珪藻と鞭毛藻の赤潮が発生している。




干潟の浄化能を生かす−海を育む河川−(高崎みつる):
魚や水生生物の育つ環境は
・ 乱獲による成魚の絶滅が無い
・ 卵が孵化できる場所、稚魚幼魚の隠れ場所がある
・ 食物連鎖(Food Chain)を支える、健全な生態ピラミッド
・ 魚や貝を殺すプランクトンが発生しない
・ 水の中に十分な酸素があり、酸欠状態にならない
・ コンクリートなど強アルカリの影響が小さい。
  付着生物からの生産が起こる環境がある。

海のケイ酸(珪素)が減った原因と生態系が狂ってきた原因
・ 河川からの供給(砂、濁質も含め)減少
・ ケイ酸の減衰原因が増えた
・ ケイ酸供給システムが上手に機能しない
・ 窒素の過剰と(河川内で)窒素削減機能の働く箇所が小さい
・ 鉄やフミンの供給システムが機能しない
以上の項目は有機物除去などとも密接に係わり、清澄な河川創出へ向けた動きと一体である。